Last Updated: 12/18/00 Part.2へ

*巴のペンブルトン&ベイリス禅問答集*
part.1 【#1〜25】

【Part.2 | #26〜

◆ 巴から皆様へ ◆

ホミサイドにおけるパートナーの会話。
それは、そのパートナーのカラーと言えましょう。
「ペンブルトン&ベイリス」この二人の会話はまさに「禅問答」。
フランク・ペンブルトンという師僧に
ティム・ベイリスなるお稚児さんが
事件の、思想の、人生の、生活の、果ては愚にも付かない「題」で教えを問います。
(禅問答は問いかけをする弁事をお稚児さんあるいは修行僧が、それに答えるのを
師僧、禅師あるいは老師が行います。この二人の場合ベイリスは修行僧というよりは
お稚児さん、ペンブルトンも禅師老師の域には達していないので師僧となります。)
法戦式の禅問答を戦って、初めて住職の位がもらえるとか。
ベイリス=お稚児さんがペンブルトン=師僧を論破して
見事住職=殺人課の星となるか?
ペンブルトン=師僧は設問をことごとく喝破し続ける事が出来るのか?
はたして二人の立場は逆転するのか?
二人の問答は二人の歩んできた魂の足跡となってゆきます。
その時々の問答が何を意味するのか、それは各々考えて頂くとしてまずは皆様と
その足跡をたどっていきましょう。

――巴さんからそれぞれの問答について私からも何かコメントを、
というありがたいお言葉を頂戴しましたので、
各問答の最後にお目汚しコメントを入れさせていただいております。
【事務屋Kyo】


(其の一・練習問題)


♯1「永遠への出発」より・・以下ペンブルトン=Pベイリス=Bとする。


1.バーで・・・
  B「ボヘミアビール」
  P「俺はミルク」
  B「ああ、僕のはソーダでわって・・・。で、その子を捕まえる?」
  P「その子って?」
  B「バーガーの事件だよ。公園で拾われた子が犯人なのかな?」
  P「車は登録されてるから、網にかかるだろ。」
  B「ああ、犯人だと疑われる奴がなんでわざわざ、バーガーの車を乗り回してるっ
   て思うんだい?」
  P「さあ、なぜかな。犯罪は人を愚かにする。」
  B「・・はは、それもらっていい?・・ねえ、聞いてくれよ。みんなは僕が市長の
   警護からこっちにまわされたと思ってるらしいけど、逆だ。2年間の警護勤め
   は、殺人課に入る為だったんだ。」
  P「お前に別に文句はないが、相棒はいらない。そんなモノは必要ない。」
  B「モノじゃない、人だ。」
  P「OK、お前はいらん。」
  B「やれやれ・・・」

 ★お稚児さんが師僧に道理を説くが半人前がなにをぬかすと、一蹴されるの図。
   {教訓・道理を説くときは相手をえらぶべし}

2.BOX内の容疑者をマジックミラー越しに見ながら・・
  P「容疑者をどう観察するかい、刑事さん?」
  B「ああ、そうだな、身長178cm体重は70kgぐらいで左の頬に傷が・・」
  P「そんな事じゃない。・・容疑者は眠ってる。」
  B「ああそう、この部屋に4時間もいるからね。」
  P「ルールその4。犯人はBOXで一人になると寝てしまう。」
  B「ああ、他にもあるのかい?」
  P「ああ、非協力的、過度に協力的、饒舌、寡黙、瞬き、凝視、理路整然、煩雑
   意味不明。簡単な事さ。表情だよ。」
  B「わかるよ。・・で、尋問は?」
  P「尋問だって?」
  B「ああ、そう。僕が言いたいのは、もちろん僕らはパートナーじゃないけど、
   あなたの尋問に立ち会いたい。」
  P「お前が立ち会う権利を与えられるのは尋問じゃあない。セールストークの
   テクニックだ。昔から黄金の舌が、中古車やフロリダの湿地、それに聖書を
   売ってきたんだ。でも俺が売るのは、長いム所暮らしでの刑期さ。商品を
   欲しがらない客が相手だ。」
  B「・・立ち会っていいんだな。」

 ★お稚児さんが低姿勢で教えを問えば師僧にも答える準備ありの図。
   {教訓・教えを問いたければへりくだる事が重要と知るべし}

――――フランクの伝説的セールストーク弁。ホミサイド・アンコールのこの第1回を見た時、オープニングでのジャデーロ警部補のナレーション「俺達に銃は要らない〜」という内容とこのフランクのセリフに「一体これはどんな刑事物ドラマなんだ?!」という衝撃を受けた事をまざまざと思い出します。そして抱いた予感はこの後回が進むにつれてどんどん裏切られて行きました――嬉しい方向に。The Best *DAMN* Show on Televisionの幕開けです。【Kyo】


♯3「不運な男」より

3.車の中、初めての問答?
  B「この前僕に言った事憶えてるか?僕は殺人犯の心理がわからないから、刑事は
   ムリだと。」
  P「ああ」
  B「ご自分は?」
  P「俺はわかるか、か?」
  B「ああ」
  P「今まわりに何があるか言ってみろ。」
  B「ああそうだな。玄関先に座っている人がいて、街路樹があって食料品店も。」
  P「俺の場合はな、犯罪者と同じようにそれが全部俺の物に見えるんだ。ポケット
   から出てるサイフとか、鍵のかかってない車、窓の開いた家もな。」
  B「殺人と関係あるか?」
  P「ははは・・」
  B「なんだ?」
  P「わからんか?」
  B「いや」
  P「へへ、・・だからダメなんだ。」  
  B「・・・ふ・・ん。」
 
 ★お稚児さんの問いかけに師僧がいつも答えるとは限らないの図。
   {教訓・師僧にケムに撒かれたら答えは自分で見つけるべし}

※以上♯1〜♯6までにおける二人の問答。しかしここまでは、練習問題(問答?)
 さらに激しい問答を繰り広げる為の、肩ならし、腹の探り合い、助走への第一歩。


(其のニ・応用問題)

♯7「ショーはこれから」より


4.車の中で・・・
  P「ジェイク。ジェイクなんて犬につけるか?それも警察犬に・・」
  B「いや、ジェイクはいい名前さぁ。簡単ではっきりしてて犬にも解りやすい。」
  P「いや、犬にふさわしい名前は・・・レックス。」
  B「レックス!?そりゃ斬新だ。僕は昔アイリッシュセッターに
   モリ−ってつけてた。」
  P「ハハハハハハ。アホのアイリッシュセッターか!!」
  B「モリ−はいい犬だった。」
  P「おい、勘違いするな。アイリッシュセッターは見るにはいいがイカレてる。
   病気だ。ありゃ犬の世界の能天気ヤローだな。」
  B「あんたにモリ−の何が判る!あんた何様だ?ニューヨークから来ると何でも
   判るっていうのか?」
  P「犬はわかる。アイリッシュセッターはリコウじゃない。あいつらの脳みそは
   豆粒だ。」
  B「あんたの犬を当ててやろうか?・・・・テリヤだろ。」
  P「はっは・・」
  B「自分は個性的だと思っているニューヨーカーはどう云う訳か皆同じ。
   テリヤを飼うんだ。肥満して妙なリボンをつけたテリヤがウヨウヨ。
   それがニューヨークだよなぁ。」
  P「俺が飼ってたのはコモンドール犬だ。お前には想像もつかなかったろ。」
  B「コモンドール!?」
  P「ああ」
  B「それって、あのヒドイ臭いのハンガリーの牧羊犬の事か?」
  P「アイリッシュセッターに比べれば俺の犬は天才さ。」
  B「天才!?・・天才の名前がレックス!?」
  P「レックスは都会派だった。配達人に噛み付いて殺されたがな・・・。まさか?
   バカな?・・単純すぎる!?」
  B「何が?」
  P「今ふと思ったんだけど、一酸化炭素に犬の死。動物に関わる事件とくれば、
   普通鼻を突っ込んでくる管轄局があるだろ?」
  B「動物管理局。・・まさか!?」
  P「そう!!」
  B「そう!?」
  P「ああ、ガスもある。」
  B「なぜ札をつけたジェイクにガスを?」
  P「聞いてみよ?」
  B「なぜ公園に放置した?殺したとしても警察の札をなぜ外さなかった?」
  P「聞いてみよ。」
 
 ★お稚児さんが愛玩物の嗜好を師僧にケチをつけられムキになるの図。
  {教訓・一つの事に囚われると師僧の様に次の次元へは進めない事を知れ}

――――アディーナ事件を一旦沈着させざるを得ない展開となり、この回からフランクとティムのパートナーとしての通常業務(?)が始まった記念すべき回。そして最初の事件は殺犬事件(笑)。ベイリスの「俺達は殺人課の刑事なんだぞ!?」という会話やこの車の中での会話など、今後彼らの間で交わされるやり取りが大きな魅力となる事を予感させられるシーンでした。【Kyo】

4´.池で・・
  P「ジェイクは情熱的だった。」
  K「ハハ・・」(Kは死んだジェイクの相棒)
  B「子供好きだった?」
  K「いや、そうでも・・・。まあ、たまには。」
  P「どうした?・・・モリーのこと?」
  B「あぁ、いや・・アディーナのこと。」
  P「思うんだが、ガキと犬だけなら世界はカンペキだ。

 ★弱者の死を悼むお稚児さんを師僧が慰めるの図。
  {教訓・師僧の説く道理に反論の余地はなく、犬問答は終了}

――――ティムが沈んでいる様子にフランクの掛けた言葉が「モリーのこと?」。ティムを馬鹿にしたように話しながらも相手の語る言葉はしっかり心に留めており、そうは見えないフランクの優しさが窺われる大きな一言でした。【Kyo】

♯8「煙が眼にしみる」より

5.カフェで・・
  P「・・どうした?」
  B「べつに。」
  P「・・ライターが・・。持ってっか?」
  B「持ってないよ。」
  P「ちっ、ホントにないのか?」
  B「ホントさぁ。」
  P「上着のポケット調べろ。」
  B「フランク、僕はもう禁煙したんだ。」
  P「知ってるけど、マッチくらい持ってるだろ。」
  B「ライターもマッチも持ってないよ。辛い食べ物もビールも暫くお預けだ。
   灰皿もしまった。」
  P「そうか。マッチも持ってないのかぁ。」
  B「パッチしたんだ。身体からニコチンを追い出す為のニコチンパッチだよ。
   もう2セットめだ。これで煙草と縁が切れる。こんなモノ毎日3箱も吸って
   たんだからな。はぁ・・体調もいいんだ。」
  P「あぁ、そう。」
  B「ああ、それからなぁ、夜も良く眠れるんだぜぇ。食い物だってウマイ。今は
   辛い物や刺激の強い物は食べられないけどな。ああ、でもそのかわり野菜が
   ウマイ。こんなにウマイと感じたのは初めてだよ。・・うぅん?」
  P「車ン中で吸ってくる。」
  B「いいや!いいんだよ。ここに座っててくれ。ここは喫煙席だ。マッチ持って
   来てもらおう。マッチ下さい。」
  P「車で吸うからいいよ。」
  B「僕に気を使うなって。ここで煙草を吸ってもゼンゼン構わないよ。
   ホラ座れって・・。」
  P「おい、ティム、辛いんだろ?」
  B「いや、違う、そうじゃない。」
  P「周りで吸われるのが辛いんじゃないのか?」
  B「いいや、もうゼンゼン大丈夫だって言ってるだろ。あああった、マッチだ。」
  P「ああああ、悪いな!」
  B「そう?」
  P「すまないな!でも俺もう煙草を吸う気分じゃないんだ。」
  B「そう言うなよ、フランク。遠慮するなって。僕はゼンゼン構わないから、
   悪いけど火は自分でつけてくれよな。もし僕がつけたら、ああ、吸いたくなる
   カモしれないだろ?」
  P「お前、火をつけさせたいのか!?」
  B「ああ、もちろんだとも。」
  P「吸いたくないのに?」
  B「頼むから吸ってくれ。頼むから・・なぁ」
  P「お前、吸いたいんだろ!!俺の横でニ次スモーキングしようってんだな!?
  B「頭がイイね。フランク。」
  P「(煙草を吸い吐き出す)ふぅー。」
  B「(その煙を吸い込む)はぁ。・・食後の一服はイイねェ。」
  P「お前イカレてるゾ。

 ★お稚児さんが自ら課した禁を破る為策を弄して師僧を丸め込むの図。
  {教訓・真意を悟られない為には出来るだけ回りくどくするべし。
      やり方にあざとささえなければ師僧もこれを黙認す。}

――――記念すべき、初のフランク&ティム抱腹絶倒シーン。ティムの恥も外聞もかなぐり捨てた自分の気持ちへの正直さ(笑)と、そんな彼にあきれ果てながらも面白がって楽しそうなフランクの様が最高〜♪。この辺りが「ナンテ奴だコイツは」的にフランクの気持ちがティムに向き始めるとっかかりとなった気がします。【Kyo】


♯13「彩りの日々」より

6.車の中で・・




  B「ポルノとかテレフォンセックスとかSMとかいろいろあるけどさぁ、そういう
   性を売り物にしているのを見ると、腹が立って来るんだよ。」
  P「今に始まった事じゃないだろ。いちいち眼くじら立てるな。・・ポンペイに
   ある廃墟を発掘したら壁にアンベレ・ファマ・ススラディ・グランディア・
   テン・メディテン・タボラーダ・ビリテ。長いけどこれ、フェラチオの事
   なんだ。高校ン時教わったんだよ。ラテン語をやってみるとおもしろいもん
   だぞ。」
  B「わかった、わかった!それじゃそういう性倒錯が昔からあって、今も有るのは
   しょうがない事としても、だからって僕は喜んで認めようとは思わないよ!」
  P「お前がいくら認めないとか言ったってな、現実的には白人と黒人が付き合って
   るだけで、おかしいんじゃないかって言われる世の中だ。」
  B「肌の色に対する偏見の事を言ってるんじゃない。僕が認めたくないのは、
   異様な性的倒錯の事だよ。まともな人間のする事とはとても思えないね!
   ハキケがするよまったく!!愛がないSEXなんてありえない、僕はそう思う。」
  P「それじゃ、美しい女性と道ですれ違ったとする。お前が微笑んだら向こうも
   微笑んだ。」
  B「ああ。」
  P「それだけで結婚したいと思うか?後ろ向いて尻を突き出してる。そう、想像
   するんじゃないのか?」
  B「そんなことないね、絶対にない!!」
  P「ウソかアホかどっちかだ。ウソならまだいい方だがナ。救いようがあるって
   もんだ。でもアホなら、本当にアホだ。これからあのバーへ戻って目覚めさせ
   てやろうか?」
  B「なんだよ!ズルイ事を考えないから犯罪者の心理が判らないとでも言いたい
   のか!?つまり・・つまり・・その、だから、殺したいと思う人が誰もいない
   から人殺しの気持ちが読めないって事か?子供にいたずらしようとは思わない
   から、いつまでたってもアディーナ・ワトソンの事件が解決出来ないって
   言いたいのか?」
  P「お前は本当に救いようのない、アホだな。」
  B「バカでもアホでもないネ!!」
  P「人間なら誰だって悪い事の一つや二つするもんなんだ!金をちょろまかしたり
   物を盗んだり、80キロの道で100キロだしたりなあ。だけどお前は自分の
   事を合唱隊の無垢な少年だと思い込んでるんじゃないか?」
  B「それで、つまり何が言いたいんだよ、ああ?」
  P「お前にだって心のどこかに悪の部分があるんだよ!自分で自分の醜い部分を
   認めなきゃだめなんだ!はっきり認めれば性的な事をそう毛嫌いする事も
   なくなる。自分の一部として好きになるんだ!それを認める事が、お前らしさ
   にも繋がる。悪を真正面から受け止めようとしないお前の道徳感は、つまり本
   当の道徳感じゃないんだ。えらそうな事を、・・言うんじゃない。


 ★お稚児さんの説く正論を師僧が激しく喝破するの図。
   {教訓・実のない正論を師僧の前で唱えても空念仏も同じ修行を積むべし}   

――――この問答はこの先の二人に大きく関わってきます。 問答中の彼らの表情に注目。言われっぱなしのベイリスの心中は?【案内人・巴】
――――不可思議ささえ抱かせるティムの潔癖性を伝えるシーン。ティムの「こうあるべき」という固定観念に捕らわれた精神にフランクが人間性という汚れを付けていく第一歩。【Kyo】


※以上♯7〜♯13までの問答。守備範囲を広げての応用問題に法戦式の準備は
 整った。これからの展開を活目せよ。




(其の三・法戦式 壱 宗教論)

♯14「神に召されて」より

7.監察医務院で・・
  B「神を信じるか?」
  P「あれを見ろ。悪魔が存在するって事の証明だ。悪魔がいるなら
   きっと神も存在する。」
  B「そうかぁ?」
  P「ああ」
  B「キャサリンが殺された時、神は何処にいた、うん?なぜ、助けなかった?
   アディーナも。」
  P「死は即ち永遠の楽園さ。恐れるものでなく、訪れを待ち受け入れるものだ。
  B「それが答え?本気か?」
  P「・・・俺は防弾チョッキを着てるが・・」
  B「・・・・ぁぁぁぁ。」

 ★お稚児さんが神の存在を問い師僧がそれに答えるの図
  {教訓・宗教心の薄い者の問いかけにはそれなりの答えが妥当とすべし}

――――事件と平行してフランクの信仰に対する姿勢が大きくフィーチュアされた3部作。その苦悩の深さにより厚い信仰心を持つフランクという人物像が描かれた。【kyo】









8.車の中で・・
  P「お前、宗教は?」
  B「ああ、雑種だよ。」
  P「なにぃ?」
  B「雑種!!お袋はメソジストで親父はアメフト崇拝者、で僕は長老会の洗礼を
   受けて、堅信礼は監督教会。大学時代に知り合ったとびきり美人の
   彼女がユニタリアンだったんで僕も入信した。で、君は?今もカトリック?」
  P「ユダヤ教には正統派と保守派と改革派があるだろ?カトリックには二種類ある
   んだ。・・・敬虔と堕落。・・・・俺だ。

  B「なあ、あの3時間もかかるミサっていったいなんだい?」
  P「ミサって?」
  B「一度結婚式に行ったんだよ。僕は聖餐用のパンを受け取るまでにハラペコに
   なって、二つも貰った。」
  P「カトリックじゃないのに、パンを!?」
  B「ああ、ワルい?」
  P「そりゃ、メデタク地獄落ちだ・・・
  B「・・・・・」

 ★お稚児さんのおめでたさに師僧あきれ果てるの図。
  {教訓・師僧に引導を渡されたくなくば深遠な題の場合は言葉を選ぶべし}

――――ティムの宗教に対するテキトーさに日本人的親近感を覚える(笑)。フランクと良い対比。【Kyo】





♯16「過激な熱情」より




9.教会で・・・
  B「フランク、何してたんだい?」
  P「天にまします方に、ちょっと聞き込みをしてた。」
  B「マリリン・カリスト殺しについて?」
  P「うん。」
  B「それで、どうだった?」
  P「いつもの如く、・・・ダンマリさ。」
  B「そりゃ残念。どっかに解決への糸口が見つからないもんかなぁ。若い女性が
   過去48時間に3人も殺された。3人とも全く同じやり口で。
   何とかしないと・・・。」
  P「カリストはどんな女性だった?」
  B「ああ、彼女はしょっちゅう10代のストリートガールの面倒を見てた。少女達
   を更生させ救った。グッドリッチやランディと同様敬虔なカトリック教徒で
   人の為にいつも尽くしていたそうだ。」
  P「・・・くそヤロー。」
  B「誰?犯人??」
  P「神だ。」
  B「あぁ、フランク。神様に向かってそういう事いうのは、止したほうがいいと
   思うゾ。別に言ってもいいけど僕の側ではやめてくれよ。カミナリに打たれる
   のはゴメンだ。このスーツ下ろしたてなんだ。」
  P「なぜ神は善人を苦しめる?いったい何で神は我が子を苦しみの中で死なせた
   んだ。世界を救う為か?んん?だがこの通り、今も、俺達は、出口の見えない
   袋小路にいる。」
  B「お宅らカトリック教徒は、みんな悩み苦しむのがお得意だ。そう思わない?
   何かっていうとすぐに絶望するんだ。でも、神に向かって背を向けるのが
   一番罪なんだぜぇ。・・・僕だって知ってるよ。

  P「いや、一番の罪は人殺しが罰を受けない事だ。

 ★お稚児さんが知識を披露するも師僧に一言で片付けられるの図。
  {教訓・師僧の前では知ったかぶりはやめよ。
      その道の大家には素直に教えを問うべし}

――――問答の始まりと終わり。ペンブルトンの苦悩と変化。神への彼流のオトシマエのつけかたとは如何なるものでしょうか。【案内人・巴】




※以上♯14〜♯16までの問答。宗教についての師僧の含蓄の深さにお稚児さんは
顔色なし。地獄に落ちたくなければ修行し直し再戦に備えよ。



(休戦・同朋の喪に服す)

#17「クロセッティ」より

10.車を停めて・・・
   B「お葬式に出ないのか?」
   P「教会でやるんだろ?」
   B「普通式は教会でやるじゃないか。」
   P「もう教会には行かないんだ。」
   B「何言ってんだ。凶悪殺人の後はしょっちゅう教会に行くのに・・・。」
   P「神様とファーストネームで呼べる程の仲じゃないんでね。ウマが合わない
    って言うだろ?それだよ・・。

   B「消火栓の側はマズイ。駐車違反だ。」
   P「こんなに狭い所で前後の車にカスリもしないで駐車するってゆう芸当が、
    お前に出来るか?・・悔しかったらやってみろ。」
   B「刑事が駐車違反をしたらカッコワルイじゃないか。」
   P「ちっ・・。」
   B「わかった・・・わかったよ。罰金って事になったら払ってくれよな。」
 
10´クッキーを注文する
   B「ああ、確かにこれだ。クロセッティの好きなやつだ。」
   P「よし。いくら?」
   W「12個入り、9ドルです。」
   P「高いんじゃない!?それで売れるの?」
   B「それじゃ数はいくついるかな。ええと・・。100人は優に超えるよな。」
   W「お祝いですか?」
   B「いえ、お葬式なんです。」
   P「葬儀の後ちょっとした会を設けるんでね。」
   W「お気の毒に・・。」
   B「・・で、どう思う?一人2・3個食べるとして・・・。」
   P「ち・・ケーキより安いな。」
   B「それじゃあ、お願いします。このクッキー、このワチャマカリツってのを
    400個。」
   W「それじゃあ、33か34箱分として・・9ドルだから306ドルです。」
   P「306ドル!!」
   B「そうだ。」
   P「クッキーだろ!?」
   B「34箱分全部揃いますか?急で申し訳ないんですけど」
   P「おぉい、待てよ、お前」
   B「は?」
   P「クッキーに300ドルも出す気か?」
   B「はぁっ?」
   P「市警の殺人捜査課の者です。同僚が亡くなったんですよ。・・・もう少し
    値段なんとかなりませんかねぇ。」
 
10”車に戻って・・
   B「はぁ、頼み込んだりして・・。」
   P「頼み込んでない!」
   B「ディスカウントストアに買い物に来てる訳じゃないんだぞ。クロセッティの
    お葬式の為のクッキーだ。それを値切るだなんて。」
   P「予算てものがあるんだよ。」
   B「あんなにへコヘコして・・。あの店員僕達の事バカにしてたぞ。それに彼女
    はイタリア人じゃない。イタリア人でブロンドの人が何処にいるっていうん    だい・・。」
   P「クッキーに300ドルも使ったらコーヒーはどうする、ああっ!?他の
    飲みモンは?イタリア人にだってブロンドはいるさぁ。今までいろんな民族
    に占領されて来たんだ。例えば、アフリカの北のカルタゴ人とか、フランス
    人にもなぁ、スカンジナビア人にも・・。」
   B「結局は一箱に付き1ドルずつ負けてくれたけど、よく出来ると思うよ!
    お葬式に出すクッキーを33ドルも値切るだなんて事がねぇ!!」
   P「警察のボロ車。入れたけど出らんねぇじゃねぇかよ!」  
   B「33ドルくらい俺のサイフから出しときゃよかったよ!
   P「俺だって負けてくれなんて言うつもりはなかった!・・だんだんハラ立って
    来た。こんな車拳銃でボコボコにしてやるぞ。それから前に停まっている
    キャデラックも、後ろに停まってるヤツもゼンブ・・ええぃ!

   B「・・・・。」
   P「・・・・。」
   B「店では恥はかくわ、車はでらんないわ・・・。」
   P「・・ふぅ・・」
   B「ちっ・・・・」

  ★師僧といえども同僚の死について動揺が隠せずお稚児さんと言い争うの図
  {教訓・突然の訃報に慣れる事など誰であれ不可能である}
 

――――有数のお笑い傑作シーン。クロセッティの弔いの会に出すクッキーをつい値切ってしまい、ティムの言う通り自分でもこれはちょっと、と内心後悔しているフランク。でも素直に反省して見せるワケもなく(笑)いつものようにティムとの言い争いで終わる。しかも来た時は得意げにギリギリのスパースに停めた車が今度は出られない。今回はベイリス完全勝利(笑)。【Kyo】







(其の四・法戦式 弐 煩悩篇)

#20「実らない恋の行方」より

11.駐車して・・   
   B「アンディ!!・・なんてバカな名前だ。アンディ・ハーディにアンディ・パ
    ンダ。」
   P「それがどうした。」
   B「アンディ・グリフィス、アンディなんて名前にはろくな奴はいない。」
   P「アーサー・バレンタインを探すべきじゃないのか?妻を殺してはいなくても
    死んだまま置いとくなんて、ちゃんとした説明を聞かなきゃならんだろ。」
   B「アンディ・ギヴ、アンディ・ルーニ−、アンディ・ウォーホール。
    アンドリューじゃなく、アンディだ。・はぁ・・・殴ったんだ。奴はエマを
    殴った。やっぱり一言言ってやる。」
   P「アンディ・ウィリアムス。」
   B「何?」
   P「アンディ・ウィリアムス。70年代にヒットを飛ばした。だが奥方はスキー
    インストラクターの元へ走ったんだ。

   B「ほっといてくれ、フランク。」
    (車をおりる二人)
   B「アンディ?アンディ・モラニス!?」
   A「・・ああ・・?」
   B「やぁ、ベイリスだ。」
   A「あんたがそうか。」
   B「そうだ、僕だよ。エマの事でちょっと話があるんだ。」
   A「こっちにはないねぇ。」
   B「ちょっとまて!彼女を殴ったろ。おいアンディ。いいか二度と彼女には手を
    あげるなよ。わかったな!!」
   A「命令するのか?」
   B「その通りだ。彼女に近づくんじゃないぞ。殴って気分がスッとしたか、
    ええっ?男のくせに女を殴ってそんなに楽しいか。一生退屈な郊外で違反
    キップを切ってまわる生活を、忘れさせてくれるから女を殴りたくなるのか
    ええっ!?」
    (無言で掴み合いになるベイリスとアンディ)
   P「おいおいおいおい、やめろ!やめろ!やめろって、オイ、二人とも!!
    おい、ベイリス、昼飯でも食いに行こうぜ。俺は4時間置きに何か食わな
    きゃ血糖値が下がっちまうんでなァ、いいか?」
   A「ああっ。」
   P「いいな。」
   B「ああ、いいさ。」
   P「挑発に乗るな!

  ★恋に暴走するお稚児さんを師僧が止めるの図。
  {教訓・煩悩に取りつかれた男を静止させるには醒めた態度で接するべし}

――――どうでもいいから仕事しろ、とティムの話をまともに聞いていないのではと思わせておいて、でもちゃっかりアンディの名のつく人物を考え出しているフランクが可笑しい(笑)。話題にはちゃんと乗る。モラニスヘ直談判に行くティムの事も腕力沙汰になる前まではやりたいようにさせたりとティムの行動を尊重している節も伺われ、接し方の押し引き加減の妙が出ています。【Kyo】







12.ドラッグストア前から車の中で・・
   Cop「もう結構ですよ。」
   P「時間を取らせてすまなかったな。」
   C「いいえ、よくある事ですから。銃がちらっとでも見えるとあせって通報し
    ちまうんです。」
   B「ちらっと見えるってどういう事だ?」
   P「引き上げるぞ。」
   B「おい、待てよ。運転させない気なのか?」
   P「ああ、そうだ!今のお前はスクールバスにだって発砲しかねないからな。」
   B「・・・ビール忘れた・・。」
   (車中で)
   B「・・ふぅ。何だよフランク。礼を言えばいいのか?」
   P「是非そうして貰いたいね。」
   B「・・・うん。奴は銃を見ただけじゃない。僕は銃を抜いて、突きつけたんだ
    から。」
   P「それ以上言うな、知りたくない。」
   B「奴にはなんて?」
   P「お前は警官で盗みをやるつもりはなかった。それに凄く反省してて、二度と
    こんな事はしないと言っといたよ・・そうだろ?」
   B「それだけ?」
   P「それから強盗に狙われないように警護をつけてやるとも、言ったよ。週に
    三日。夜間の警備を無料でやるんだ。」
   B「僕がやるのか?」
   P「その通りだ。」
   B「・・・恋に落ちた事あるか?」
   P「ええっ?」
   B「恋したことさ。」
   P「ああ、あるとも。今も恋してる。」
   B「お前は結婚してるから毎日恋してるって事か・・。」
   P「そうゆうことだな。」
   B「お前にとって奥さんは運命の人か?」
   P「何ぃ?」
   B「セイディとアーサー・バレンタイン夫妻みたいにさぁ。この世にこの人だけ
    って、そんな相手が・・・いるのかな?・・つまり・・・もし運命の人が
    イヌイットで自分はアイオワにいたら。それでも一生かけてひたすら彼女を
    探し続けるんだが、どうしても逢えないんだ。もし・・逢えたとしても結婚
    してたとしたら。」
   P「アイオワにも女はいるさ。」
   B「ああ、そりゃわかってるよ!!でも心ん中ではどうしても・・そのオンナが
    欲しいんだ。

   P「愛は完全犯罪を解決するようなものだ。証拠のカケラを集め、目撃者と話し
    手がかりを追う。だがそれだけじゃ解決はできない。最後のカギは運だ。
    その点お前は・・運がないのサ・・・。あの11セントは俺に返せ。


  ★手に入らぬものを欲し叶わぬ敗北感に傷心のお稚児さんを師僧が諌めるの図。
   {教訓・運命の人を探すには己にも強運が必要と知るべし。
       己の運を見極めよ}  

――――お前に足りないのは運だけだ、とは一番相手を買っている言葉ではないかしらん(これがティムの慰めとなったかはワカリマセンが)。フランクがティムの身を真剣に分析した上で慰めている姿は見ていてシアワセでした〜♪11セントをしっかり請求するオチも良い(笑)。返したんだろーか、ティム。【kyo】








※以上#17〜#20までの問答。愛と死。人間の煩悩に振り回されるお稚児さんを諭し見守る師僧。煩悩の対処がまだまだ青いお稚児さんには更なる経験を期待せよ。




(其の五・法戦式 参 物欲篇)

#21「イヴの夜に」より

  13.デスクで・・




     B「よう、フランク。」
     P「んー。」
     B「座ってもいいかな。・・あぁ、やれやれ。調子はどう?
      クリスマス・イヴの気分は?」
     P「カミさんといたい。」
     B「うぅん。」
     P「暖炉が恋しい。」
     B「あぁ・・・。」
     P「ナット・キング・コールも。」
     B「ああ、わかる。ホント。実は僕も退屈してる。
      それでぇ、ちょっと考えたんだけど」
     P「だめだ!」
     B「何っ?」
     P「やめとけぇ。」
     B「やめる?何を?」
      (P、黙って指でハートを作る)
     B「ああっ、それの事か?」
     P「ああ」
     B「ああ、それじゃ君は僕が、そのぉハーツの相手を探してるって
      聞いたんだ。」
     P「イヤ、聞いてない。直感だよ。俺は名刑事だからな。で、返事は
      ノーだ。理由は・・・」
      (P、指でBを手招きする。額を寄せ合う二人)
     P「昔、随分前。俺がまだ若く愚かだった頃、カードゲームで大金を
      すった。

     B「そうなんだ。」
     P「その時俺は心に誓った。二度と過ちは犯さないって。
     B「そぅか。」
     P「だからしない。」
     B「で、金賭けるって誰に聞いた?ふへへへへ」
     P「・・・・・。」(黙って笑うP)

    ★欲に目が眩み浅はかな行動に走るお稚児さんに師僧が忠告するの図
    {教訓・身包み剥れたくなければ経験者の忠告には耳を貸すべし}

――――ボーやケイをハーツ(トランプ・ゲームの一種)に誘うもあっさり撃退されてしまい、フランクの元へとやってくるティム。その不屈の根性はいっそアッパレ。←で、結局Geeに痛い目に合わされる(笑)。しかしフランクも最後は参加してた。……結局彼も同じ過ちを犯してしまったのね〜、まだまだアオいぞ!(笑)【Kyo】





(其の六・法戦式 四 殺傷篇)

#23.「二人の母」より


  14.車の中で・・・
     B「スピード落とせよ!!フランク」
     P「俺の運転が気に入らん?」
     B「こりゃ運転じゃない。障害物競走だ。」
     P「障害物ぅ?」
     B「ああ、そのとおり、君は・・」
     P「ああ」
     B「社会を脅かす無法者だ。」
     P「ふぅん。俺の運転に文句があるなら自分で運転しろよ。お前の
      ハンドルさばきを逐一批評して交通規則を叩き込んでやる!」
     B「たった14歳でねぇ。・・・ったく、なんてこった。僕が14の
      時は・・9年生だったんだけど自分が何をやってたか、あんまり
      憶えてないんだ。でもただ、銃を手に入れて人を撃つなんて事
      からは、ほど遠い世界だったよ。」
     P「じゃ、いくつだったらいいんだ?」
     B「14じゃない。」
     P「それじゃ、なにか?15か16ぐらいだったらいいのか?」
     B「いや。」
     P「じゃ、いくつならいいんだ。その境目は?17か?18か?
      19か?ハタチか」
     B「わからない!わからない」
     P「おぉ、じゃわかった時は俺に教えてくれよな。俺にいわせりゃ
      子供から年寄りまで、何歳であっても殺しは出来る。がリクツに
      合わん。いつか、一度でいいからリクツに合った殺しに当たって
      みたいもんだな。ただの一度でいいからさ。

     P「フランク。ウォーターフロントで止めてくれるか。」

    ★お稚児さんが殺人年齢を特定するもいらだつ師僧に一蹴されるの図
    {教訓・相手の感情を読み取ってから話題を振るべし}

――――荒れ荒れでエライ乱暴運転のフランク。そんな少年の犯罪に対して心穏やかでないフランクにその話題を持ち出すティムってば…チャレンジャー。ティムの横で逐一運転技術を批評しまくるっている二人の図を見てみたい気も(笑)。【Kyo】






  15.裁判所前から、歩きながら・・




     P「カミさんと話してたんだ。子供の事をな。」
     B「そう?」
     P「そろそろ・・つくろっかって」
     B「君が!?」  
     P「んー」
     B「父親に!?」
     P「うん、ワルイか?」
     B「いや、素晴らしいと思うよ。」
     P「子供をつくるなんて、よく言えるよなぁ。子供達を一級殺人で
      挙げてるっていうのに。

     B「でも、君の場合は違うと思う。」
     P「違う?」
     B「あぁ、わかるだろ?」
     P「オイ、はっきり言えよ!」
     B「僕の言いたい事わかるだろ?」
     P「口に出して言えよ。」
     B「だから君の場合は違うんだよ。何故かってそりゃ、君が違った
      環境を備えてるからだよ。」  
     P「スラム街に住んでないからか?」
     B「いやぁ・・君には、子供にいいチャンスをやれる力があるじゃ
      ないか。

     P「つまり俺の子供は安全か・・・。そりゃヤクの事でもよく言われ
      たよ。俺の近所じゃ絶対ないって。エイズが出てきた時も、俺の
      近所じゃ・・・。

      (裁判所から出る少年の護送を見送るP&B)
     B「フランク・・。」(立ち尽くすPを促すB)

    ★子供に過酷な世界を認識し子供を持つ事の不安をもらす師僧に気休
     めをいうお稚児さんの図
    {教訓・扶養家族の有る無しで生ずる悩みの深刻度が違う事を知れ}

――――嬉しさと照れくささが入り混じった表情でティムに子供作りの決意を打ち明けるフランクがなんとも初々しい。そこが、こういう私的な事を彼が話す(話せる)相手はティムぐらいなのだという事を伺わせる。自分の矛盾に悩みも抱くフランクに堂々と太鼓判を押すティムの対応に、ちょっと「おお?」と思わされるひとコマ。二人の立ち位置の段差が徐々に詰まってきている印象を受けました。【Kyo】








(其の七・法戦式 五 情愛篇)

#24.「ゆりかごから墓場まで」より





  16.現場へ向かいながら・・
     B「なあ、フランク。誘拐事件とやらはどうでもいいんだ。僕が知り
      たいのは、あのジム・ハリスと、あの大物と、警察一の実力者と
      何を食べたか。」
     P「リングイニ・ポモドーロだ。OK?」
     B「ああ、凄いじゃないか。えらく眼ぇかけられてるんだぁ。」
     Cop「ウェイドさんの話だと車はバンで、トゥインクルスターの
      ニューモデルでした。色は赤。そして運転席側のサイドドアから
      突き落とされたんだと言っていました。」
     P「運転席側にサイドドアはない。」
     B「あ、そういえば去年の昇進の話はハリスから出たって、言ってな
      かった?」
     P「そうだ。」
     B「期待の星だ。」
     C「更に彼の話では、バンが減速し丁度ここで落とされた。しかし
      その着ていた時の服を調べましたが、芝生はついていないし、裂
      けても破れてもいなかった。」
     P「誰かが見ていないのか?落とされたとこを。」 
     C「彼の話では町内会のバーベキューをそこでやっていたそうです」
     P「外で食べるにはちょっと寒いなぁ。」
     C「それで公園の管理事務所に問い合わせて見た所、その日は使用許
      可を出してないって話でした。」
     P「ふぅん。つまり我々が探しているバンは存在しないし、それに乗
      た存在しない誘拐犯は、合衆国連邦議会議員を連れ去ってはいな
      いし、それにここでバンから落としてもいない。」  
     C「おそらく・・まぁ、わかりません。」
     B「・・・凄く臭うな。」
     P「それじゃ・・・。調べてみよ。」
     B「何を?証拠も何もないのに?」
     P「殺人課刑事としての知識と経験を現場で発揮するのが俺の仕事だ
      俺は仕事する。

     B「ハリスに何か頼まれた?」
     P「何ィ!?」
     B「頼まれたんだろ?そうだな、遺族基金の為に金を集めろとか・・
      そんな事?

     P「お前って、ホント・・」
     B「何?」
     P「おもしろいよ。

    ★お稚児さんの的外れで鋭い指摘を師僧かわすに腐心すの図
    {教訓・常に注意を怠らぬ者の勘を侮る無かれ}

――――追求は終わったかと見せてまた蒸し返す、この絶妙の脱力タイミング(笑)がさすがなティム。最後の全く面白く無さそうなフランクの”口だけ賛辞”も名ゼリフのひとつ。【Kyo】










  17.車の中で・・
     (クラクションを鳴らすP)
     B「何で僕達は家庭内暴力の捜査をしてるんだ?」
     P「それより何でさっきから車が全然流れないんだ?2メートル進ん
      でストップ!3メートル進んでストップ!家庭内暴力じゃない。
      これは・・・誘拐だ。」
     B「そんなもんなかったんだよ!!これは只の痴話げんかだ。ドレイ
      パーに振られたウェイドが怒って怪我させただけ!」
     P「なぜウェイドは通報した?」
     B「たぶんドレイパーが暴行で訴え出ると思ったんじゃない?それで
      相手より先に通報したんだろ。ドレイパーが自分を誘拐させたっ
      て話しでウェイドは先手を打っておこうって思ったのさ。」
     P「そんな事したってなんにもならない。」
     B「でも、切羽詰ると人は理性的な判断が出来なくなったりするから
      ねぇ。」
     P「自分はゲイかも?って思ったことあるか?」
     B「・・・ない。」
     P「それじゃあ、同性愛っていう気は?」
     B「ない。」
     P「子供の時もか?」
     B「ない!」  
     P「まぁた、ティム!!」
     B「ホント、ないんだ。」
     P「みんな一度は通る道なんだぞ。」
     B「僕はない。」
     P「妙な風に抱き合ったりほっぺにキスされたり、何かそれっぽい事
      があっただろ?」
     B「フランクは経験ある?」
     (P黙ってクラクションを鳴らす)
     B「・・・何回?」
     P「そっちが先だ。」
     B「わかったよ。トイレにまでついてくる従兄弟がいたな。時々だけ
      ど・・。」
     P「ほんとか!?」
     B「そだよ。」
     P「・・で、何された?」
     B「憶えてない。あんたの番。」
     P「俺は何もない。」
     B「何だよ!!あんたが言ったんじゃないか!誰だって過去に一度は
      そういう経験をしてるってさぁ。

     P「嘘をついたんだ。
     B「ちっ・・はぁ」
     P「この事件はこれからどうすればいいかなぁ?」
     B「ハリスに聞けば?あんたの大きな後ろだてなんだから。」
     P「ああ、そうだな。ハリスに聞いてみよ。」

    ★お稚児さんが師僧に自白させられるの図
    {教訓・狡さと開き直り。大物の意味を噛み締めよ}

――――フランク、ヒキョー(笑)。こんなにティムの男性遍歴(?)を知りたがったのは何故?と是非突っ込みたいトコロ。またこの時のティムの打ち明け話が重大なものだったことが後々判明し、後から見返すと胸の痛むシーン。(因みに、フランクがついた嘘は本当は「誰でも経験をしている」発言ではなく「俺は何もない」発言の方ではないかという勘繰りも出来る気が。…なーんて、そんな事思うのアタシだけ?)【Kyo】










  18.朝、署の前で・・
     B「フランク!・・フランク」
     P「おはよう。」
     B「おはよ。」
     P「ありゃなんの見せモンだ?」  
     B「ハゲタカの群れだよ、フランク。狙いはあんただ。連中はあんた
      を待ってたんだ。」
     P「また、どうして?」
     B「僕は聞いた通りを伝えるだけだからね。ウェイド議員に対する
      刑事告訴を警察が揉み消した。チャンネル8のマリア・デルガド
      が、そう言ってるんだよ。」
     P「冗談だろう?」
     B「いや、あんたに言われた様に、僕は冗談が下手でね。・・・・
      ね、どうする?正面から行く?それとも裏口から入るかい?

     P「正面から入る!!
     B「じゃ、一緒に・・・。
     (P&Bリポーターに向かって歩く)
     P「Thank you」(副音声のみ)
     B「Yah」(副音声のみ)

    ★寝耳に水の師僧に危機を告げに走るお稚児さんの図
    {教訓・相互扶助。及び困難には一丸となって立ち向かうべし}




――――こんな時でもフランクの発言をしっかり当てこする事は忘れないティム(笑)。でも署の正面玄関から堂々と入るというフランクと肩を並べて一緒に向かう姿にパートナーの真髄を見る思いが。支え合う存在として行動で見せてくれた意義深いシーン。最後の元音声の“Thank you.” “Yah” は今回見直して初めて気づいたかも!巴さん大感謝!【Kyo】











  19.ドラッグストア前で・・
     B「おい!フランク!何してんの?」
     P「今夜は女房にディナーを作ってやるんだ。」
     B「僕を置いて行ってしまうのか?」
     P「何言ってんだティム。別に結婚の約束をしてた訳じゃあるまい
      し。」 
     B「なあ、だってパートナーだろ?あんたは親友なんだ。
     P「俺になんて言わせたいんだ?お前は親友だって?俺に親友はいな
      い!

     B「たかが一ヶ月間の停職じゃないか、それなら・・」
     P「俺が停職を受けるいわれはない。だろ!?みんなから尊敬される
      上司に上手く処理してくれと頼まれただけだ。嵌められたよ。俺
      がバカだった!お偉いさんを喜ばせようと、法を破ったんだ
      からなぁ。警官が法を破っちゃお終いだ。だから俺にバッチを
      着ける資格はない!失格さ。

     B「ね、フランク。あんたらしくないよ。どうしたんだ!?やめない
      でくれ、頼むよ!!」
     P「俺はやめる。」
     B「やめてどうするんだ?どっかの会社の警備主任にでも応募する気
      か?それともポリスアカデミーで犯罪予防術の先生でもするか?
      ええっ!?あんたにムリだ!あんたは刑事なんだ。これからも
      ずっとそうだ!!」
     P「もう刑事じゃない!それに正直言って今から楽しみでならないね
      ぇ。明日から毎日死体を見ることもなくなるんだ。そして、夕方
      俺が家にいると、女房が帰って来る。あなたぁ、ただいまぁ。
      俺はスコッチ&ソーダを作ってやって、今日はどうだった?って
      聞いてやる。そして、最初の一ン日だけは、どんなに退屈な話で
      も最後までじっくりと聞いてやるんだ。」
     B「・・・パートナーがいなくなる。
     P「頑張れよ。・・・俺は帰る。」
     B「・・・・。」

    ★突然の離脱を決めた師僧にお稚児さん慌てふためくの図
    {教訓・信念を曲げた付けは己とその周りに跳ね返る事を知れ}

――――停職処分となり、だったら辞めると啖呵を切り署を去るフランクと彼を必死に引きとめるティム。「別に結婚の約束をしていたわけじゃ〜」の元セリフは「(結婚式の)祭壇の前から俺が逃げ出すみたいな事言うな」。この発想がなんとも(笑)。partnerたるもの、人生も仕事ともども背負い込むモノ?(笑)なのでしょうか〜。【Kyo】











#25.「虐待」より

20.ウォーターフロントで・・
     P「ようようよう!」
     B「フランク!」
     P「オープンは何時なんだ?」
     B「金曜さ。」
     P「はぁん・・。」
     B「何しに来たんだ?」
     P「料理中でな・・」
     B「何っ?」
     P「ローストチキンさ・・」
     B「何だって?」
     P「ウィスキーくれよ。ストレートで・・。」
     B「飲むのか?」
     P「ここバーだろ。」
     B「復帰は?戻ってくれよ。あんたがいないと苦労するんだ・・・。
      実は又事件があったんだよ。美大生が殺されたんだ。その恋人が
      怪しいんだが、違うかもしれない。・・うぅん、わからん。」
     P「誰と組んでる?」
     B「ルイスさっ!組んでたって方が正しいな。」
     P「ルイスは優秀だ。」
     B「だが今は動けないんだ。査問委員会にかかってる。」
     P「何故だ?」  
     B「・・・知らんほうがいい。・・おい、戻ってくれよ。なあ、あん
      たが必要なんだ。」
     P「・・・ああ、ひょっとしたら俺を戻す為に、ルイスと何か企んで
      るんじゃないのか?」
     B「僕の気持ちもわかってくれよ!!ルイスは異次元から来た悪魔
      そのものなんだ!協調性がまるっきしないんだよ。この捜査も
      結局一人でするんだ。はっきり言うぞ、フランク。今すぐ復帰し
      て捜査に協力してくれ。

     P「出来んね。イヤ、だめだ。」
     B「あんたは、根っからの刑事なんだ。やめて何する。」
     P「とりあえずあのジュークBOXを修理してみるさ。ブルースでも聞
      くか?そんな気分だ。

     B「ブルース好きか?」
     P「んん。”神は情け深いどんな時にも”・・」
     B「ああ、いいよ。付けといてやるから・・。」
     P「いや、今払う。」
     B「いいから付けにしとけ。」
     P「今払うよ!・・・またなぁ。」
     B「・・・・。」

    ★師僧、意気消沈するお稚児さんの様子を伺いに来るの図
    {教訓・無意味な意地を張り続けても状況は悪化するのみ}

――――なにやら随分甘い雰囲気の漂う二人。夕食のチキンをオーブンで焼いている時間潰しに…とは言え、フランクが自発的にバーにやってくるという行動は印象的。フランクの中でベイリスの存在がどのような位置を占めつつあるかが伺われる。またフランクの手首辺りをチョイチョイ☆と突ついたり小突いたりして戻ってきてくれとねだるティムの愛らしさよ♪。安定した関係となって以降初の二人のパートナーシップに訪れた障壁(big wave)でしたが、これは外圧であって二人の間の繋がりは損なわれるどころか却って確かめられた結果となった今回の騒動でした。【Kyo】











 21.ウォーターフロント・オープンパーティー
     B「なぁ、この男は僕の相棒なんだぜぇ。相棒なんだ。へへへへへ」
     P「何だ!?何だっ!?」
     B「なあ、フランク。僕はあんたと組めてホントに幸せなんだ。
     P「ホントか?」
     B「ああ!!」
     P「そうか。」
     B「ああっ!」
     P「よかったな。
     B「だからここでぜひぃ・・・」
     P「いやっ!」
     B「歓迎の意を表して・・」
     P「だめだだめだだめだ、おいっ、抱きつくな・・
     B「いいじゃないかぁ
     P「やめてくれ!!」
     B「・・・・・はははははは・・」
     (P・B 一旦離れる)
     (B再びPの側に戻る)
     B「はははははぁ」
     P「あっちへいけっ!!
     B「はははっ」  
     P「ああっ!?」

    ★お稚児さん好転した事態に上機嫌で師僧にまとわり着くの図
    {教訓・お互いに良き事であれば多少の無礼も許容せよ。
        が、図に乗り度を過ぎるは厳禁}

――――こっこんなシーンを見せてくれるなんて…(幸福の余り気が遠のく)。酔っ払いベイリスに大感謝ーッ!(涙)ティムに抱き付かれそうになり嫌がって拒むもののちょっと嬉しそうじゃないの?フランクってば。ニヤニヤ。しかも真ん中画像のシーン!(鼻血っ)…はぁぁ、なんという美しさよ。。。【Kyo】エラク馬鹿っぽくばっちゃった…汗








※以上#21〜#25までの問答。しだいに修行の成果が現れつつあるお稚児さ
ん。弱さも狡猾さも備えた師僧から何をどう学ぶかがこれからの課題。




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